マンションや一戸建ての売却・購入を検討してリサーチを始めると「レインズ」というよくわからない言葉に出くわした人は多いはずです。しかも、「東日本レインズ」や「西日本レインズ」、「中部レインズ」や「近畿レインズ」など、地域を表す単語まで出てくるともうわけがわからない、と悩んでいませんか?

わけがわからない、と思うことは一つでも解消しておいた方がいいので、忙しいあなたに代わって「レインズ」が一体何かを調べてみました。明日からのリサーチにぜひお役立てください!

実は「レインズ」には2つの意味がある

最初に断りますが、「レインズ」には次の2つの意味があります。

1.不動産流通標準情報システムの略称

宅地建物取引業法に基づき、国土交通大臣から指定を受けた全国の指定流通機構が運営する、住宅不動産情報の交換を行うことを目的としたコンピューターネットワークシステムを指す。なお、英語では「Real Estate Information Network System」と訳されるため、この頭文字をとって「REINS=レインズ」と呼ばれる場合もある。

2.不動産流通機構のこと

地域によって管轄する不動産流通機構が決められている。2つの意味で用いられていることが、わけがわからない原因の一つでしょう。

レインズは地域によってさらに4つに分かれる

先にも書いた通り、レインズは管轄する地域によって、さらに次の4つに分かれます。わかりやすくするために表にしてみました。

名称 対象地域
東日本不動産流通機構
(東日本レインズ)
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県
中部圏不動産流通機構
(中部レインズ)
富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿圏不動産流通機構
(近畿レインズ)
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
西日本不動産流通機構
(西日本レインズ)
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

つまり、東日本レインズは関東や東北、中部レインズは中部地方、近畿レインズは近畿圏、西日本レインズとは、九州や四国を中心としたエリアを管轄する不動産流通機構のこと、と考えてください。

ところで、レインズって何のためにあるの?

西日本レインズが何かがわかっても、「レインズが何をするのか」がわからなければ理解にはつながりません。そこで、この疑問に答えるべく、レインズについてさらに細かく調べてみました。

1.導入の経緯

ネットワークの技術が発達する以前は、不動産会社はどのようにして営業活動を展開していたか考えてみましょう。店頭に張り紙を行ったり、新聞に広告を出したり、同業者どうしで情報交換をしたりなど、極めてアナログな方法が主流だったので、情報を広く知ってもらうのは厳しかったのが現実です。

そこで、より広い範囲に不動産の情報をいきわたらせるための仕組みづくりを行う必要が出てきたため、平成2年にレインズが正式に導入されました。

2.レインズの基本的な仕組み

全国の不動産会社をつなぐネットワークとして不動産流通情報システムを構築し、加盟している不動産会社だけがそのネットワークを通じて提供される不動産の情報を参照できる仕組みです。

つまり、不動産会社が(不動産流通標準情報システムとしての)レインズを使うためには、不動産会社の所在地を管轄する不動産流通機構に加盟しなくてはいけません。

加盟した不動産会社は、購入希望者から依頼があったら、レインズのホストコンピューターで不動産の情報を検索し、購入希望者に得られた情報を提供します。一方、売却希望者から依頼があったら、その物件を不動産会社がレインズに登録し、登録証明書を交付してもらう仕組みです。

なお、基本的に、いずれかの不動産流通機構に登録していることが前提であるため、一般の人がレインズを参照することはできません。

3.媒介契約とレインズへの登録

現在の法律では、不動産会社と専属専任媒介契約・専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社は物件の情報をレインズに登録する義務があります。一般媒介契約では義務ではありませんが、登録する業者も多いでしょう。

レインズのメリットとデメリットを教えて!

まず、レインズのメリットですが、より広い範囲に情報がいきわたるため、取引を完了するまでのスピードが速くなる効果があります。そして、様々な不動産取引に関する情報を参照できるので、適正価格や動向をすばやくキャッチすることができ、売主・買主にも質が高い情報が提供できるのはやはり大きなメリットです。

一方、デメリットとしては、不動産の情報がたくさんの人の目に触れることになるので、悪用されるリスクが高まる点でしょう。物件情報を無断引用して自社のホームページに掲載する不動産会社が現れたり、空き部屋情報を犯罪に悪用したりなどの心無い事例も報告されています。

また、次々と新しい物件の情報が登録されるため、早めに成約できなかった物件の情報が新規に登録された物件の情報に埋もれてしまい、売れ残ってしまうリスクが高くなる点もデメリットでしょう。しかし、実際に売れ残るかどうかは不動産会社の営業力とリサーチ力による部分が大きいので、あまり気にする必要はありません。

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